ランニング中に呼吸が苦しい理由と整え方
こんな人に向けて、私の実体験をもとに記事を書きます。
私も同じことで悩んでいました。走り始めたばかりの頃、少し進んだだけで息が切れ、「自分の肺は人より弱いのでは」と本気で疑ったことがあります。今では、呼吸が苦しくなる仕組みとその整え方を理解していて、同じペースで走っても以前ほど苦しさを感じなくなっています。
この記事を読むと、走っていて呼吸が苦しくなる本当の原因と、呼吸法そのものをいじる前にやるべきことがわかります。
息が上がってすぐに走れなくなってしまう人は、ぜひ最後までご覧ください。
呼吸法を変えれば、この苦しさは楽になりませんか?
結論:呼吸が苦しいのは呼吸法ではなく、ペースが速すぎるから
先に結論を書きます。走っていて呼吸が苦しくなる一番の原因は、呼吸のやり方が下手だからではありません。単純に、今の自分の体力に対してペースが速すぎるからです。
息が上がって苦しいとき、多くの人はまず「呼吸のやり方」を疑います。鼻から吸うべきか、口から吐くべきか、といった情報を探し始めます。ですが、走り始めてすぐに苦しくなる場合、原因はそこではないことがほとんどです。体が必要とする酸素の量に対して、心肺機能や筋力がまだ追いついていないペースで走っているために、呼吸が乱れているだけなのです。私自身、走り始めの頃は無意識に「もっと速く走らなければ」と力んでいて、そのペースの速さこそが苦しさの正体でした。次の項で、なぜ呼吸法を変えても苦しさが消えないのかを詳しく説明します。
なぜ呼吸法を変えても苦しさが消えないのか
呼吸法の情報はランニングの入門記事やSNSに数多くあります。「2回吸って2回吐く」「腹式呼吸を意識する」といったテクニックです。ただ、こうした呼吸法をどれだけ丁寧に実践しても、走るペース自体がオーバーペースであれば、苦しさは根本的には解消しません。
呼吸は、体が必要とする酸素の量に応じて自動的に速く・深くなる仕組みになっています。ペースが速すぎて筋肉がたくさんの酸素を要求している状態では、どんな呼吸のリズムを試しても、体は「もっと吸わせろ」と要求し続けます。呼吸法はあくまで「同じ強度の中で呼吸を少し整えやすくする補助的な工夫」であって、強度そのものを下げる力はありません。私も走り始めの頃、呼吸法の動画を何本も見て試しましたが、結局苦しさが変わらなかったのは、ペースを落とさずに呼吸だけを変えようとしていたからだと今はわかります。
じゃあ、呼吸法を練習する意味はないんですか?
苦しさを消す唯一の方法:会話できるペースまで落とす
呼吸の苦しさを本当に解消する方法は、実はとてもシンプルです。会話ができるくらいのペースまで、走る速さを落とすことです。
隣を走る人と短い言葉のやり取りが無理なくできるくらいの強度であれば、そのペースは今のあなたにとって適切な負荷だと判断できます。逆に、息が切れて一言も発せない状態は、今の心肺機能に対して明らかにオーバーペースのサインです。走り始めてすぐに苦しくなる人の多くは、「ランニングとはある程度きついものだ」という思い込みから、無意識に速いペースで入ってしまっています。
思い切ってペースを落とすと、最初は「これで運動になっているのか」と不安になるかもしれません。ですが、呼吸に余裕を持って走り続けられること自体が、今のあなたにとって意味のある練習です。速く走ることよりも先に、苦しくならずに走り続けられる体を作ることが優先です。どれくらいのペースを目安にすればいいかについては初心者ランニングのペースが遅い理由(キロ7〜8分が正解)で具体的に解説しています。呼吸の苦しさに悩んでいる人ほど、まずこの記事のペースの考え方を先に読んでおくと、迷いが減るはずです。
リズム呼吸(2吸2吐など)は試す価値のある一般的な方法
会話できるペースまで落としたうえで、さらに呼吸を整えやすくしたい場合は、「リズム呼吸」と呼ばれる方法を試してみる価値があります。足の着地のリズムに呼吸を合わせる方法で、たとえば「2歩吸って2歩吐く」というリズムがよく紹介されています。
ここで断っておきたいのは、このリズム呼吸に「これをやれば苦しくならなくなる」という医学的な効果が確立されているわけではないという点です。あくまで、体感として呼吸のリズムを整えやすくなったと感じる人が多い、一般的に紹介されている方法の一つとして捉えてください。合う・合わないには個人差があります。試してみて自分に合わないと感じたら、無理に続ける必要はありません。呼吸のリズムより、まずペースが適切かどうかのほうが、苦しさへの影響ははるかに大きいというのが私の実感です。
私の心拍データで見る「呼吸が苦しくなる境界線」
呼吸の苦しさとペースの関係を、自分のGarminの実測データで見てみます。私の場合、キロ6分前後のペースで走ると平均心拍はだいたい150前後に収まり、このあたりでは会話をしながら走ることができます。ところが、キロ5分40秒を切るペースになると、平均心拍は160を超えてきます。
8月1日の7.5km走では、キロ5分38秒というやや速めのペースで、平均心拍169・最大185まで上がりました。この日は明らかに、走りながら会話ができる余裕はありませんでした。同じ距離でも、ペースがキロ6分前後の日と5分台後半の日とでは、体が感じる苦しさがまったく違います。呼吸のやり方を変えたわけではなく、ペースの違いだけで、この苦しさの差が生まれているということです。

この図解は、私の実測データをもとに「ペース」と「呼吸の苦しさ(会話できるかどうか)」の境界線を示したものです。キロ6分前後・心拍150前後のゾーンでは会話に余裕があり、キロ5分40秒を切って心拍160を超えるあたりから、会話が難しい苦しいゾーンに切り替わっていることが一目でわかるようにしています。心拍と呼吸の負荷を数字で追う考え方はマラソン練習の心拍数の目安(実測データ解説)でさらに詳しく説明しています。あわせて読むと、自分にとっての「苦しくなる境界線」を見つけやすくなります。
よくある疑問に答える
呼吸が苦しいのは肺活量が少ないからですか
走り始めてすぐに苦しくなる原因の多くは、肺活量そのものではなくペースです。肺活量に大きな差がなくても、オーバーペースであれば誰でも呼吸は苦しくなります。逆に、会話できるペースまで落とせば、多くの人は同じ距離をずっと楽に走れるようになります。ただし、安静時や軽い運動でも息苦しさが続く、胸の痛みを伴うといった場合は、ランニングの問題として片付けず、早めに専門医に相談することをおすすめします。
走り始めてすぐ苦しくなるのはおかしいですか
おかしくありません。ランニングを始めたばかりの体は、まだ運動に必要な心肺機能や筋力が十分に整っていない状態です。走り始めてすぐに息が上がるのは、多くの初心者に共通する自然な反応だと考えて大丈夫です。私自身、ランニング初心者の始め方(完全ガイド)に書いた通り、走り始めの頃は数分で苦しくなっていました。焦らずペースを落とすところから始めれば、体は少しずつ慣れていきます。
呼吸が整うまでどれくらいかかりますか
個人差が大きいところですが、会話できるペースを守って走り続けていると、同じペースでも苦しさを感じにくくなっていく人が多いと言われています。私自身も、走り始めた頃と比べると、同じくらいのペースでも呼吸の余裕は明らかに増えました。ただし、これは断定できる期間があるものではありません。焦らず、苦しくならないペースを守り続けることを優先してください。
焦って速く走ろうとしなくていいんですね
呼吸法を変える前に、ペースを見直す
ランニング中に呼吸が苦しくなる原因は、呼吸のやり方そのものではなく、多くの場合ペースが今の自分の体力に対して速すぎることにあります。呼吸法のテクニックを探す前に、まず会話ができるペースまで落とすこと。これが苦しさを解消する一番確実な方法です。
私自身、キロ6分前後・心拍150前後では会話ができる一方、キロ5分40秒を切って心拍160を超えると会話は難しくなります。この境界線は、私だけでなく多くの初心者にも当てはまる感覚だと思います。リズム呼吸のようなテクニックは、ペースが適切になったうえで試す分には価値がありますが、順番を間違えると効果を感じにくくなります。まずはペースを落とすこと。そこから始めてみてください。