マラソン練習の心拍数の目安|実測データ解説
こんな人に向けて、私の実体験をもとに記事を書きます。
私も同じことで悩んでいました。ウォッチに表示される心拍数を見ても、それが自分にとって速いのか遅いのかの判断基準を持っていなかったからです。今では、自分の過去の練習データを基準に「今日の心拍は普段より高いか低いか」を判断できるようになっています。
この記事を読むと、心拍数の一般的な目安の考え方と、それ以上に大事な「自分の基準値の作り方」がわかります。
ランニングウォッチの心拍表示をただ眺めるだけで終わっている人は、ぜひ最後までご覧ください。
心拍数の目安って、結局年齢から計算すればいいんですか?
結論:計算式より「自分の実測データ」を基準にする
先に結論を書きます。心拍数の目安として「220-年齢」という簡易計算式はよく使われますが、これはあくまで大まかな出発点にすぎません。本当に役立つ基準は、自分が実際に走ったときの心拍データです。
計算式は年齢だけから機械的に最大心拍数を推定するもので、個人差を一切考慮していません。同じ年齢でも、走り込んでいる人とそうでない人、暑さへの耐性が高い人と低い人とでは、同じペースで走っても心拍数はまったく違う数字になります。だから「150は高いか低いか」という問いに、計算式だけで答えるのは無理があります。
私自身、Garminで練習を記録し続けてきたことで、「自分にとってのキロ6分は心拍150前後」「キロ5分40秒を切ると160を超える」という自分だけの基準値を持てるようになりました。この記事では、一般的な心拍ゾーンの考え方を押さえたうえで、私の実測データを使って「自分の基準値を持つ」ことの具体的な効果を説明していきます。
最大心拍数と心拍ゾーンの一般的な考え方
心拍数の目安を考えるうえで、まず押さえておきたいのが最大心拍数という概念です。
「220-年齢」は簡易な目安にすぎない
最大心拍数の推定式としてよく知られているのが「220-年齢」です。たとえば35歳なら、220-35=185が推定上の最大心拍数の目安になります。ただしこの数式はあくまで統計的な平均値から導かれた簡易な目安であり、個人差が大きいことは押さえておく必要があります。実際の最大心拍数は同じ年齢でも人によって10〜20程度ずれることが珍しくないと言われています。
ここで医学的な数値を断定するつもりはありません。自分の正確な最大心拍数を知りたい場合は、専門的な測定を受けるのが確実です。この記事で扱うのは、あくまで市民ランナーが練習の目安として使う範囲の話だと理解してください。
心拍ゾーンはおおまかな強度の目盛り
最大心拍数を基準に、運動強度を「ゾーン」として区切る考え方がランニング界隈ではよく使われています。おおまかに言うと、最大心拍数の6割前後は楽なジョグ、7〜8割前後はしっかりめの持久走、9割を超えると相当きついペース、というイメージです。
ただし、この割合もあくまで一般的な目安です。ゾーンの数字を厳密に守ることよりも、「今の自分にとってこの心拍は楽なのか、きついのか」を体感とセットで判断できるようになるほうが、練習の実用性としては高いと私は考えています。次の項で、その体感の基準になる「会話できるかどうか」の話をします。
ゾーン2とかゾーン3とか、数字だけ見ても実感が湧きません
ジョグ・ロング走は「会話できる強度」が目安
心拍ゾーンの数字よりも、実践で使いやすい目安があります。それが「会話ができるペースかどうか」です。
ジョグやロング走のような、いわゆる楽なペースでの練習は、隣で走る人と短い会話が無理なく続けられるくらいの強度が目安になります。息が切れて一言も話せない状態は、ジョグとしては速すぎるサインです。逆に、鼻歌が歌えるくらい余裕がありすぎる場合は、練習効果としてはやや物足りない可能性があります。
この「会話できる強度」という基準は、心拍計がなくてもその場で判断できるのが利点です。そのうえで、ウォッチの心拍数と組み合わせることで、「自分にとって会話できる強度は、だいたい心拍いくつなのか」という自分専用の対応表ができあがっていきます。これが次の項で説明する、私の実測データの話につながります。
フルマラソン 歩かず完走の練習メニューはこちらでも触れていますが、ジョグ・ロング走の強度を毎回一定に保つことは、練習メニュー全体の土台になる考え方だと私は思っています。
私のGarmin実測データ:ペースと心拍の対応
ここからは、私自身がGarminで記録してきた実測データをもとに、ペースと心拍の対応を具体的に見ていきます。
- キロ6分前後のペースで走ると、平均心拍はだいたい150前後に収まる
- キロ5分40秒を切るペースになると、平均心拍は160を超えてくる
- 真夏(7〜8月)は、同じペースでも平均心拍が+10bpm程度上振れする
たとえば6月21日の20.32kmのロング走では、キロ6分17秒のペースで平均心拍147、最大182で走り切りました。これは私にとって「ジョグからロング走の適正強度」の代表例になっている記録です。会話できる余裕を保ったまま、最後まで大きく崩れずに完走できたペースと心拍の組み合わせだったからです。
一方で、8月1日の7.5km走はキロ5分38秒とやや速めのペースでしたが、平均心拍は169まで上がっています。同じくらいのペースだった6月7日のトレッドミル練習(キロ4分55秒・平均心拍159)と比べても、8月は明らかに心拍が高く出ていました。気温の影響が心拍数に直接反映されているのが、自分のデータを継続して見ているとよくわかります。

この図解は、私の実測データをもとに「ペース」と「平均心拍」の関係を点でプロットしたものです。キロ6分前後の点は150前後に集まり、キロ5分40秒を切ると点が160超えのゾーンに移動していること、さらに夏場のデータだけ同じペース帯でも上側にずれていることが、数字の羅列よりも一目でわかるようにしています。
「自分の基準値」を持つことの価値
年齢からの計算式は、誰にでも一律に当てはめられる分、その人固有の事情を反映していません。暑さへの強さ、走り込みの量、その日の睡眠や疲労度合いは、計算式には一切入ってこないからです。
私が実感しているのは、自分の実測データを積み重ねておくと、「今日の心拍はいつもより高いから、無理せずペースを落とそう」といった判断が、その場でできるようになるということです。たとえば真夏に同じペースで心拍が普段より10bpm高く出ても、それは「調子が悪い」のではなく「気温相応の反応」だと判断できます。これは自分の基準値を持っていなければ、ただの不安材料にしかなりません。
逆に言えば、心拍数の目安は「絶対にこの数字を守るべき」という固定値ではなく、自分の過去のデータと比べて「いつも通りか、いつもと違うか」を判断するための物差しだと私は捉えています。ウォッチの心拍表示をただ眺めるだけで終わらせず、練習ごとの記録として蓄積していくことが、目安の数字を実用的な情報に変える一番の近道です。
よくある疑問に答える
心拍数が高いと危険なのでしょうか
練習中に心拍が急に高くなったり、普段と違う違和感がある場合は、無理をせずペースを落とすか、練習を中止するのが基本です。私自身、体調や気温によって心拍の出方が普段と違うと感じたときは、その日のうちに練習の強度を調整するようにしています。心拍数を含め、体の異変が続くようであれば、自己判断を続けずに専門医に相談することをおすすめします。
ランニングウォッチがない場合はどうすればいいですか
心拍計がなくても、「会話できるかどうか」という体感の基準だけでジョグ・ロング走の強度をコントロールすることはできます。ただ、心拍数という客観的な数字があると、体感だけでは気づきにくい「暑さによる負荷の上振れ」のような変化を、後から振り返って確認できるのが強みです。心拍計測機能のあるランニングウォッチとしては、Garmin Forerunner 165(提携リンク準備中)のようなエントリー〜ミドルクラスのモデルでも十分な精度で日々の記録が取れます。
ゾーン2走とは何ですか
ゾーン2は、最大心拍数を基準にした強度区分のうち、比較的低い強度帯を指す言葉として使われることが多い用語です。会話ができる程度の楽なペースが、おおむねこのゾーンに近いとされています。ただし前述の通り、ゾーンの区切り方には諸説あり、正確な数値は個人差も大きいため、私は厳密な数字の境界にこだわるより、「会話できる強度」という体感と、自分の実測データの両方を使って判断するようにしています。
心拍数を「自分の物差し」にする
心拍数の目安を考えるとき、まず「220-年齢」のような計算式でおおまかな出発点を持つのは悪いことではありません。ただし、そこで止まらず、自分の実際の練習データを積み重ねていくことが、数字を本当の意味で活用する鍵だと私は考えています。
私自身、キロ6分前後で心拍150前後、キロ5分40秒を切ると160超え、真夏は同じペースでも+10bpm上振れという自分の基準値を持ったことで、「今日の数字は普段と違う」ということにその場で気づけるようになりました。6月21日の20km走で平均心拍147のまま完走できたのも、この基準値があったからこそ、ペース配分に迷わず走り切れた結果だと思っています。
ランニングウォッチの心拍表示は、眺めるだけでは意味を持ちません。練習のたびに記録し、自分なりの「いつも通り」を積み上げていくことで、初めて実用的な目安になります。
とりあえず次の練習から、ペースと心拍をセットで記録してみます
心拍数と合わせて、どのくらいのペースで練習を組み立てるべきか気になる人はマラソン練習ペースの目安(自分の基準値の作り方)もあわせて参考にしてください。練習メニュー全体の組み立て方はフルマラソン 歩かず完走の練習メニューにまとめています。