20km走のペース目安|会話できる速さが正解
こんな人に向けて、私の実体験をもとに記事を書きます。
私も同じことで悩んでいました。前回の東京マラソン2025では、序盤にトイレへ行ったロスを取り返そうと飛ばしすぎてしまい、20km手前から歩くことになりました。今、「心拍数で会話できる強度」を基準にペースを決めるという方法で、2026年11月のひたちシーサイドマラソン「歩かず完走」に向けて解決に向かっています(本記事はその実録です)。
この記事を読むと、20km走で自分がどのくらいのペースで走ればいいかの基準と、私自身がそのペースで実際に20km走をした時に何が起きたかがわかります。
初めての20km走を前に、ペースの決め方がわからず不安になっている人は、ぜひ最後までご覧ください。
20km走って、レースの何割くらいの速さで走ればいいんですか?
結論:レースペースより30秒〜1分遅く、会話できる強度で
20km走のペースは、目標にしているレースのペースより1kmあたり30秒〜1分遅く設定するのが基本です。目安は、走りながら隣の人と会話できるかどうか。これが体感でわかるチェックポイントになります。
私は2027年2月のさいたまマラソンで「サブ4」、つまり4時間切りを目標にしています。サブ4のレースペースは1kmあたり5分41秒前後です。そこから30秒〜1分遅らせると、20km走のペースは1kmあたり6分11秒〜6分41秒になります。この計算方法は後ほど詳しく説明します。
速く走れることを証明する練習ではなく、長い距離を止まらずに走り切る感覚を体に入れる練習。それが20km走の目的です。だからこそ、レースペースそのままで走る必要はありませんし、むしろ走ってはいけないと私は考えています。
なぜ「気持ち遅め」が20km走の正解なのか
20km走のような距離の長い練習は、心肺機能や脂肪をエネルギーに変える能力を鍛える「土台づくり」の練習だと言われています。速いペースで追い込むタイプの練習とは目的が違います。ここで無理に速く入ってしまうと、後半に脚が売り切れて、フォームが崩れたまま走り続けることになりかねません。
私自身、練習でペースを上げすぎると心拍数が跳ね上がり、同じ「頑張っている感覚」でもスピードが出なくなる状態を何度も経験しています。8月頭に7.5kmを1kmあたり5分38秒で走った時は、平均心拍169・最大185まで上がりました。これは20km走にそのまま使えるペースではなく、短い距離だからこそ成立するスピードだと理解しています。長い距離ほど、余裕を持ったペースから入る必要があるということです。
遅く走ると、練習した気がしないんですが…
心拍数で見る「会話できる強度」の実測基準
「会話できる強度」を感覚だけに頼ると、その日の調子で判断がぶれます。私はGarminの心拍データを基準にするようにしています。私の練習記録では、次のような傾向がはっきり出ています。
- キロ6分前後で走ると、心拍数はだいたい150前後に収まる
- キロ5分40秒を切ると、心拍数は160を超えてくる
- 真夏(7〜8月)は同じペースでも心拍数が10前後高く出る
実際の記録で見ると、6月21日に20.32kmをキロ6分17秒で走った時の平均心拍は147でした。一方、7月18日に13.66kmをキロ6分02秒で走った時は平均心拍163、8月1日に7.5kmをキロ5分38秒で走った時は平均心拍169まで上がっています。同じ「6分台」でも、わずかなペースの差で心拍は大きく変わることがわかります。

この経験から、私の中では「平均心拍150前後で走れているかどうか」が、会話できる強度かどうかの実測の目印になっています。心拍計がない場合は、隣に人がいると想定して、ひと息で短い会話ができるかどうかを目安にするとよいと思います。息が切れて単語しか出てこない状態は、20km走のペースとしては速すぎるサインです。
私の20km走実録:6/21・20.32km・2時間07分
6月21日、Garminの記録では20.32kmを2時間07分(キロ6分17秒)、平均心拍147・最大182で走っています。この日は「会話できる強度」を意識して入った走りでした。
前半の10km前後までは、キロ6分台のペースを保つのに特別な努力は必要ありませんでした。呼吸にも余裕があり、このペースなら20kmまで問題なく持つだろうという感覚がありました。
ところが15kmを過ぎたあたりから、感覚に変化が出てきました。同じペースを維持するための努力感が少しずつ上がっていき、体感的には「まだ走れるけれど、さっきまでより脚が重い」という状態になっていきました。平均心拍147という数値自体は、私の練習の中では決して高い部類ではありません。それでも距離が伸びるにつれて、同じ心拍・同じペースを保つのに必要な集中力が増えていく感覚がありました。
補給については事前に用意はせず、コースの途中にあったコンビニで現地調達しました。それでも大きく崩れることなく走り切れましたが、30km・40kmと距離が伸びていく本番では同じやり方が通用するのか、次の練習で確かめていきたいと思っています。
20.32kmを走り終えた時点で、タイムは2時間07分でした。速いペースで入っていたら、この距離を最後までこの強度で走り切れていたかは正直わかりません。会話できるペースから入ったからこそ、大きく崩れることなく20km地点まで到達できたというのが、この日の走りに対する私の受け止め方です。
レースペースから20km走のペースを逆算する
自分の20km走のペースは、次の手順で決められます。
- 目標にしているレースのゴールタイムを1kmあたりのペースに換算する
- そのペースに30秒〜1分を足す
- 出てきた範囲が、その20km走のペースの目安になる
私の場合、サブ4(4時間切り)のレースペースは1kmあたり5分41秒前後です。ここに30秒〜1分を足すと、20km走のペースは1kmあたり6分11秒〜6分41秒になります。実際に6月21日に走ったキロ6分17秒は、この範囲にきれいに収まっていて、後から振り返っても妥当なペース設定だったと感じています。
レースのゴールタイムがまだ決まっていない人は、直近の10kmやハーフマラソンのタイムから推定ペースを出し、そこに同じように30秒〜1分を足す方法で代用できます。厳密さより、余裕を持って設定することの方が重要だと私は考えています。
よくある疑問に答える
遅すぎる気がして不安になります
遅すぎるくらいでちょうどいいというのが私の考えです。20km走の目的はスピードを出すことではなく、長い時間・長い距離を止まらずに動き続ける感覚を体に覚えさせることにあります。ペースが遅いことを気にするより、最後まで会話できる強度を保てたかどうかを基準にする方が、練習の質としては合っていると思います。
レースペースがまだ決まっていない場合はどうすればいいですか
直近の5kmや10kmのレース・タイムトライアルの記録があれば、そこから推定できます。記録が何もない場合は、いったん「会話できるペース」で20km走を走り切ってみて、その時のペースを基準に目標タイムを逆算するというやり方でも構わないと思います。
心拍計がない場合、何を目安にすればいいですか
隣を走る人と短い会話ができるかどうかが、シンプルな目安になります。単語しか出てこない、息が切れて言葉が続かないという状態であれば、ペースを落とすサインです。GPSウォッチがあれば心拍数という数字で確認できるので、GARMIN ForeAthlete 心拍計測GPSランニングウォッチ(提携リンク準備中)のようなモデルを1つ持っておくと、感覚と数値のズレに気づきやすくなります。
暑い時期でも同じペースを目指すべきですか
私の記録では、真夏は同じペースでも心拍数が10前後高く出る傾向があります。暑い時期に無理に同じペースを維持しようとすると、実質的にはもっと強度の高い練習になってしまいます。暑い時期はペースを少し緩めて、心拍数の方を基準に強度を合わせるのが安全だと思います。
結局、遅く入って良かったんですか?
20km走は「ちょっと遅いかな」でちょうどいい
20km走のペースは、レースペースより30秒〜1分遅く、会話できる強度を基準に決める。これが私がこれまでの練習を振り返ってたどり着いた結論です。
心拍数でいえば150前後、体感でいえば隣の人と会話できるかどうか。この2つの基準を持っておけば、初めての20km走でも「速すぎて後半に潰れる」という失敗はかなり避けられるはずです。
20km走を走り切った後は、次のステップとして30km走に距離を伸ばしていくことになります。30km走での補給のタイミングについては30km走の補給タイミングと回数で詳しく書いています。また、20km走を含めたフルマラソン本番までの練習メニュー全体の組み立て方はフルマラソン 歩かず完走の練習メニューにまとめていますので、あわせて参考にしてください。