対象読者: マラソン練習メニューを調べていて「ビルドアップ走」という言葉に出会ったが、具体的に何キロをどう走ればいいのか分からず、いきなり試して失敗するのが怖い初心者ランナー

ビルドアップ走のやり方|初心者向け3段階メニュー

ゆう
  • 「ビルドアップ走」という言葉は聞くけど、結局何キロをどのペースで走ればいいのか分からない
  • 見よう見まねでやってみたら、後半に脚が売り切れて逆に遅くなった
  • ジョグやLSDと何が違うのか、いつ取り入れればいいのか整理できていない

こんなことに悩んでいませんか?

こんな人に向けて、私の実体験をもとに記事を書きます。

私自身、前回のフルマラソンでは20km手前から歩いてしまった経験があります。その反省から、今はさいたまマラソンでのサブ4に向けて、練習メニューの一つとしてビルドアップ走を取り入れようとしている段階です(本記事はその整理と実践記録の入り口です)。

この記事を読むと、ビルドアップ走の定義と初心者でも迷わない3段階の具体的なやり方、やりがちな失敗、ジョグ・LSDとの使い分けまで一通り把握できます。

「ビルドアップ走という言葉だけ知っていて、実際のやり方が分からない」という人は、ぜひ最後までご覧ください。

読者

名前は知ってるけど、正直ふわっとしたイメージしかないです

ゆう

私も最初はそうでした。まず「後半ほど速くなる練習」という一点だけ押さえれば十分です

結論:ビルドアップ走とは「後半ほど速くなる」練習

先に結論を書きます。ビルドアップ走とは、走り始めから徐々にペースを上げていき、後半になるほど速くなるように設計された練習法です。最初から一定ペースで押し切るペース走や、常にゆっくり走るジョグ・LSDとは、ペースの作り方がそもそも違います。

初心者向けの一般的な組み方は、全体を3段階に分け、それぞれ3〜4kmずつ走りながら段階的にペースを上げていくやり方です。合計するとだいたい9〜12km程度の練習になります。この記事では、この3段階の具体例をベースに、初心者がつまずきやすいポイントとあわせて説明していきます。

ビルドアップ走の3段階×3〜4kmの具体例

🖼スマートウォッチの画面に3区間のラップタイムが表示されている写真。1周目より2周目、2周目より3周目のペースが速くなっているのが分かる構図

初心者が最初に試すビルドアップ走として、一般的によく使われる組み方の一例を紹介します。距離やペースの数字はあくまで目安であり、自分の走力に合わせて調整することが前提です。

  • 第1段階(3〜4km):ジョグペース。会話ができるくらいの余裕を保つ
  • 第2段階(3〜4km):ミドルペース。第1段階より明確に速く、ただし全力ではない持久走レベル
  • 第3段階(3〜4km):レースペースに近い、あるいはそれよりやや速いペース

大事なのは、3段階の境目でペースを急にではなく、意識的に「一段上げる」ことです。第1段階から第2段階、第2段階から第3段階へと、はっきり切り替わるタイミングを自分でつくることで、後半に上げる感覚を体に覚え込ませるのがこの練習の狙いです。

K2_ビルドアップ走3段階ペース図.png

この図解は、横軸に距離、縦軸にペースを取り、3段階でペースが右肩上がりに上がっていく様子を線で示したものです。ジョグ・LSDの一定ペースの線、ペース走の一定ペースの線とも比較できるようにすることで、ビルドアップ走だけが持つ「段階的に上げる」という特徴が一目で分かるようにしています。

スピード練習が必要になってきたと感じたらでも触れる予定ですが、ビルドアップ走は本格的なスピード練習に入る前段階として、後半にペースを上げる感覚を養う練習として位置づけられることが多いようです。

ビルドアップ走の効果:後半に上げる感覚と失速耐性

ビルドアップ走の効果として一般的によく語られるのが、次の2点です。

1つ目は、後半にペースを上げる感覚を体に覚えさせられることです。普段の練習が一定ペースやゆっくりペースばかりだと、レース終盤で「もう少し頑張りたい」と思っても、脚と心肺がその感覚を知らないため、思うように上げられません。ビルドアップ走で「後半ほど速くする」経験を積んでおくことで、この感覚のギャップを埋められます。

2つ目は、失速への耐性がつくことです。ビルドアップ走の第2段階から第3段階にかけては、疲労が溜まった状態でペースを上げることになります。この「きつい状態からもう一段上げる」経験自体が、レース終盤の失速に耐える練習になっているという考え方です。

私自身、8月11日に10.58kmをキロ5分47秒(平均心拍156)で走った練習がありますが、後半にペースを意識的に上げる走り方はまだできていません。ビルドアップ走を取り入れることで、この「後半に上げる」経験値を積んでいきたいと考えています。

初心者がやりがちな失敗:最初から速く入ってしまう

ビルドアップ走で初心者が最も陥りやすい失敗は、第1段階の時点で速く入りすぎることです。

「せっかくビルドアップ走をやるなら」と気合が入り、ジョグのはずの第1段階から普段より速いペースで入ってしまうケースをよく見かけます。そうなると、本来ゆっくり体を温めるはずの区間で早々に疲労が溜まり、肝心の第3段階でペースを上げるどころか、逆に失速してしまいます。これでは「後半ほど速くなる」というビルドアップ走の設計そのものが崩れてしまいます。

読者

気合が入って、最初から飛ばしたくなる気持ちは分かります

ゆう

私も同じタイプなので、他人事ではありません。第1段階は「物足りないくらい」でちょうどいいと自分に言い聞かせるつもりです

第1段階は、体感で「ちょっと物足りない」と感じるくらいのペースから入るのがコツだと言われています。余力を残したまま第2段階、第3段階へと進めることで、初めて「後半ほど速くなる」構造が成立します。

ジョグ・LSDとの使い分け

ビルドアップ走がどんな練習かを理解したところで、既存の練習であるジョグやLSDとの使い分けを整理しておきます。

ジョグやLSD(ロング・スロー・ディスタンス)は、一定のゆっくりしたペースで長い時間・距離を走り、有酸素性の土台をつくる練習です。会話ができる強度を保ったまま走り続けることが目的で、ペースを上げる場面は基本的にありません。私が6月21日に走った20.32kmのLSD(キロ6分17秒・平均心拍147)は、まさにこの一定ペースを保つ練習の典型例です。

一方でビルドアップ走は、ジョグ・LSDで作った土台の上に、「後半にペースを上げる」という要素を乗せる練習です。そのため、週の練習メニューの中では、ジョグ・LSDを土台として週2〜3回程度こなしつつ、そのうちの1回をビルドアップ走に置き換える、という組み方が初心者には無理がないと考えられます。毎回ビルドアップ走にしてしまうと疲労が抜けにくくなるため、頻度は週1回程度から始めるのが現実的です。

ペース走の種類と使い分けもあわせて確認すると、ビルドアップ走がペース走全体の中でどんな位置づけにあるのかがより整理しやすくなります。

よくある疑問に答える

ビルドアップ走はどのくらいの距離でやればいいですか

初心者であれば、まず9〜12km程度(3段階×3〜4km)から始めるのが無理のない範囲だと考えられます。走力や練習の目的に応じて、1段階あたりの距離を伸ばしたり、段階数を増やしたりする形で発展させていくのが一般的な考え方です。

毎回のジョグをビルドアップ走にしてもいいですか

毎回ビルドアップ走にすると、常にレースペース付近まで負荷をかけることになり、疲労が抜けにくくなる可能性があります。ジョグ・LSDでゆっくり走る日と、ビルドアップ走で負荷をかける日を分けることが、練習全体のバランスを保つうえで大切だと考えています。

心拍数はどのくらいまで上げていいですか

体調や持病の有無によって適切な強度は人それぞれ異なるため、この記事で具体的な上限値を断定することはできません。私自身は、キロ5分40秒を切ると心拍が160を超えてくるという自分の実測データを目安にしていますが、普段と違う苦しさや違和感がある場合は無理をせず、症状が続くようであれば自己判断を続けずに専門医に相談することをおすすめします。

「後半ほど速くなる」感覚を、まず9〜12kmから

ビルドアップ走は、最初から一定ペースで押し切るペース走とも、ずっとゆっくり走るジョグ・LSDとも違い、「後半になるほど速くなる」ことそのものを練習する方法です。3段階×3〜4kmという具体的な組み方を頭に入れておけば、初心者でも迷わず最初の一歩を踏み出せます。

失敗の多くは、気合が入りすぎて第1段階から速く入ってしまうことに起因します。第1段階は物足りないくらいのペースから始め、後半に向けて段階的に上げていくことを意識するだけで、この練習の効果はぐっと引き出しやすくなります。

ゆう

私自身、まだビルドアップ走を実践できていません。次にこの記事を更新するときは、実際に走ったGarminのラップデータを持って戻ってきます

ビルドアップ走の位置づけをさらに掘り下げたい人はスピード練習が必要になってきたと感じたらも参考にしてください。フルマラソン全体の練習メニューにどう組み込むかはフルマラソン 歩かず完走の練習メニューにまとめています。