LSDランニングの効果とやり方|ペースは会話できる速さ
こんな人に向けて、私の実体験をもとに記事を書きます。
私も同じことで悩んでいました。「ゆっくり長く走るのが練習になる」と聞いても感覚的には信じきれず、気づけばいつも同じくらいのペースで押し切ってしまっていました。今では、LSDを迷わず練習メニューに組み込めるようになり、実際に自分のGarminのログにもその走りが数字として残っています。
この記事を読むと、LSDの正しいペースの目安と「なぜ遅く走ることが練習になるのか」という理屈、そして私が実際に行ったLSDのログをもとにした具体的なやり方がわかります。
LSDが本当に効果があるのか半信半疑なまま走っている人は、ぜひ最後までご覧ください。
LSDって、結局ジョグと何が違うんですか?
結論:LSDは「会話が余裕でできるペース」で長く走ること
先に結論を書きます。LSDとはLong Slow Distanceの略で、その名の通り「長い距離を、ゆっくりしたペースで」走る練習法です。ペースの目安は、隣を走る人と会話が余裕でできる速さ。数字で言うと、普段のジョグのペースよりも1kmあたり1〜2分遅いくらいが基準になります。
ポイントは「余裕で」という部分です。息が弾みながらもぎりぎり会話できる、ではなく、笑いながら世間話ができるくらいの余裕が必要です。私自身、LSDのつもりで走り始めても、後半につい呼吸が上がっていることがあります。そうなったらそれはもうLSDではなく、ただのジョグやビルドアップ走になっている、というのが私の実感です。
なぜ「遅く走る」ことが練習になるのか
速く走らないのに練習になる、というのは直感的には信じにくい話です。私も最初はそうでした。ただ、ランニングの世界では、ゆっくり長く走ることで毛細血管が発達しやすくなったり、脂質を使ってエネルギーを作る力(脂質代謝の能力)が高まりやすくなったりすると言われています。
これはあくまで「そう言われている」レベルの一般論であり、医学的に断定できる話として書いているわけではありません。ただ、体感としては納得できる部分があります。私自身、LSDを意識的に取り入れるようになってから、同じくらいのペースで走っていても、以前より心拍が落ち着いて上がる感覚があります。これが毛細血管や脂質代謝のおかげなのかは正確にはわかりませんが、遅く走ることが「サボり」ではなく、体の土台を作る時間になっている実感はあります。
私が実際に行ったLSDの実例:20.32km・2時間07分のログ
理屈だけでは実感が湧かないと思うので、私自身が実際に行ったLSDのログをそのまま公開します。
6月21日に行った20.32kmのロング走は、タイム2時間07分、ペースはキロ6分17秒、平均心拍147・最大心拍182でした。普段の5〜10kmの練習ではキロ5分台後半〜6分前後で走ることが多いので、これよりも1kmあたり1分近く落としたペースです。それでも2時間を超える距離を、大きく苦しくなることなく走り切れました。

この図解は、普段のジョグ・LSD・レースペースの3つを、ペースと心拍の目安で並べて比較したものです。同じ「走る」という動作でも、目的によってペースの位置づけが変わることが一目でわかるようにしています。
平均心拍147という数字は、私の練習の中では低めの部類に入ります。8月11日に行った10.58km走ではキロ5分47秒で平均心拍156、7月18日の13.66km走ではキロ6分02秒で平均心拍163でした。距離やペースが近くても、LSDとして意識的にペースを落とした6月21日の方が、明らかに心拍は低く抑えられています。ペースの数字以上に、この心拍の差が「遅く走ることの効果」を一番わかりやすく物語っていると感じています。
普段のジョグのペース設定については20km走のペース目安(会話できる速さが正解)でも詳しく解説しているので、あわせて読むとLSDとの違いがより整理しやすくなります。
LSDのやり方:ペース・距離・時間の決め方
具体的なやり方に落とし込みます。まずペースは、普段のジョグより1kmあたり1〜2分遅く設定します。目標のレースペースがある人は、そこからさらに1〜2分遅くすると考えても構いません。私の場合、サブ4のレースペースがキロ5分41秒前後なので、LSDの日はそこから1分近く落として、キロ6分15〜20秒あたりを目安にしています。
時間の目安は、60分〜2時間程度。距離よりも「時間」で区切る方が、ペースの我慢が利きやすいというのが私の実感です。距離を先に決めてしまうと、後半にペースを上げて時間を短縮したくなりますが、時間で区切っておけば「このペースのまま、この時間を走り切る」という意識が保ちやすくなります。
頻度は、週2〜3回の練習のうち1回をLSDに充てるくらいで十分です。残りは普段のジョグや、もう少し強度を上げた練習に振り分けます。私自身、フルマラソンの「歩かず完走」に向けた練習メニュー全体の中でも、LSDは週1回の位置づけにしています。メニュー全体の組み立てはフルマラソン歩かず完走の練習メニュー【実録】でも整理しているので、あわせて確認してみてください。
ペースと心拍を同時に確認しながら走ると、LSDが「効いているペース」からずれていないかをその場で判断しやすくなります。私は心拍とペースを一画面で見られるGPSランニングウォッチを使っていて、LSDの日は特に心拍の数字を意識するようにしています。GPSランニングウォッチ(心拍計測モデル・実売3万円前後〜)(提携リンク準備中)
遅く走る「我慢」が、実は一番難しい
LSDのやり方自体はシンプルです。ただ実際にやってみると、一番難しいのは走り方ではなく「我慢」だと私は感じています。
体が軽い日ほど、無意識にペースが上がっていきます。特に、他のランナーに追い抜かれた時や、GPSウォッチのペース表示がいつもより速く出ている時は、つい追いついていきたくなります。私自身、LSDのつもりで走り始めたのに、気づけば普段のジョグと変わらないペースになっていたことが何度もあります。
この「我慢」が続けられるかどうかは、根性の問題というより、事前にペースの上限を数字で決めておくかどうかで大きく変わります。私の場合、「キロ6分20秒より速くなったら意識的に落とす」というように、あらかじめ数字の線引きをしておくことで、感覚だけに頼らずに済むようになりました。周りと比べて自分のペースを恥ずかしく感じてしまう気持ちについては初心者ランナーのペースが遅い理由(キロ7〜8分が正解)でも触れているので、遅く走ることへの引け目がある人は参考にしてみてください。
追い抜かれると、つい張り合いたくなります
よくある疑問に答える
遅く走っているのに心拍が上がってしまいます。おかしいですか?
おかしくありません。気温や体調によって、同じペースでも心拍は変わります。私の記録でも、8月1日の7.5km走ではキロ5分38秒で平均心拍169まで上がりました。夏場は同じペースでも心拍が普段より10bpm近く高く出る傾向が私にはあります。
LSDの日にペースを守っているのに心拍が高い場合は、気温のせいで体への負荷が上がっている可能性があるので、無理にペースをさらに落とすか、涼しい時間帯に変更することを検討してください。
LSDだけやっていればいいですか?
LSDだけでは練習として偏りが出やすいと私は考えています。私自身も、LSDに加えて普段のジョグや、少し強度を上げた練習を組み合わせています。練習メニュー全体のバランスについては先述の関連記事でも整理しているので、あわせて確認してみてください。
体に痛みや違和感が出た場合は?
LSDは比較的負荷の低い練習ですが、違和感が出た場合は無理をせず、その日は距離や時間を短くして切り上げるようにしています。違和感が長く続くようであれば、自己判断を続けずに専門医に相談することをおすすめします。
遅く走ることを、本気で練習の一部にする
LSDは、遅く走ることそのものに意味がある練習です。会話が余裕でできるペースを守り続けることが、体の土台を作る時間になると言われています。
私自身、6月21日の20.32km・平均心拍147というログを見返すたびに、「遅く走れた日」であることに意味があったと感じています。ペースを我慢することは想像以上に難しいですが、数字で線引きをしておけば、感覚だけに頼らずに続けられます。LSDが本当に効果があるのか半信半疑だった私自身が、今はこのペースを迷わず練習に取り入れられています。あなたのLSDも、まずは「会話が余裕でできるペース」を守ることから始めてみてください。
まずは会話できるペースを守ることからですね