マラソン給水所の取り方とコツ|歩いても負けじゃない
こんな人に向けて、私の実体験をもとに記事を書きます。
正直に言うと、私自身もこの不安と無縁ではありません。前回のフルマラソン(東京マラソン2025)では、序盤にトイレへ立ち寄り、そのロスを取り返そうと飛ばしすぎてしまいました。給水所で落ち着いて立ち回る余裕まではなく、気づけば20km手前から歩くことになった大会でした。
今、私は「止まって飲んでもいい」という前提に立ち、こぼさずむせずに確実に飲み切ることを優先する方法で、2026年11月のひたちシーサイドマラソン「歩かず完走」に向けて準備を進めています(本記事はその実録です)。
この記事を読むと、給水所で走りながら飲むための定番のコツと、無理に走りながら取らなくてもいい理由、給水を飛ばすことの危険性、水とスポーツドリンクの使い分けまで一通り分かります。
「給水所、うまく飲める自信がない」という人は、ぜひ最後までご覧ください。
走りながら飲むの、想像しただけで怖いです
結論:止まって飲んでもいい。歩いて飲むのは負けではない
先に結論を書きます。給水所は無理に走りながら取らなくていいし、歩いて飲んでも何も恥ずかしくありません。むしろ、こぼしたりむせたりして給水量が減るくらいなら、数歩歩いてでも確実に飲み切るほうが、後半のダメージを考えれば正しい選択です。
給水所で足を止める、あるいは歩くことで失うタイムは、せいぜい数秒から十数秒です。一方で、こぼして水分が足りなくなったり、むせて呼吸のリズムを崩したりするほうが、レース全体への影響は大きいと考えられます。「颯爽と走りながら飲む」姿に憧れる気持ちは私にもありますが、それは慣れてからでいい話です。まずは「歩いて確実に飲む」を基本の選択肢として持っておくことが、初レースでは何より大切だと思っています。
普段の練習で私が意識しているのは、「止まる・歩く=失敗」という思い込みを外すことです。ロング走のペースを保つこと自体は大事にしていますが、給水所という数十秒単位の場面まで同じ緊張感で臨む必要はないはずだと、今は考えるようにしています。レースの給水所も、これと同じ感覚で捉えて構わないはずです。
走りながら飲む定番のコツ3つ
歩いて飲むことに慣れてきたら、走りながら飲むコツも知っておくと選択肢が広がります。定番として語られるのは次の3つです。
- コップの縁をつぶす:受け取った直後に、コップの飲み口部分を軽く指でつぶして少しすぼめると、水面が波立ちにくくなり、口に運ぶ間にこぼれる量が減ります
- 奥のテーブルを狙う:給水所の入り口に近いテーブルほど混雑しやすいので、あえて数メートル奥のテーブルを狙うと、人の密度が下がって落ち着いて取りやすくなります
- 取る前に周囲を確認する:手を伸ばす直前に、自分の前後左右に人がいないかをさっと確認する。給水所の接触事故は、コップを取ろうとする瞬間の急な進路変更が原因になりやすいと言われています

この図解は、給水所に近づいてから通過するまでを「①奥のテーブルを見て狙いを定める→②周囲を確認しながら手を伸ばす→③コップの縁をつぶして飲む」の3ステップで示したものです。焦って一番手前のテーブルに殺到するのではなく、一呼吸おいて奥を狙うだけでも余裕が生まれることが分かるように構成しています。
練習でも意識しておいたほうがよさそうですね
給水を飛ばす危険性
給水所を「混雑しているから」「タイムを削りたいから」という理由で飛ばしてしまうのは、初レースでは避けたい判断です。一度飛ばすと、次の給水所までの間隔が実質的に2倍近くに開き、渇きを感じてから飲んでも吸収が追いつかなくなります。
私の練習データでも、真夏の7〜8月は同じペースでも心拍が普段より10bpm前後高く出る傾向があります。8月1日に7.5kmをキロ5分38秒で走った練習では平均心拍169・最大185まで上がっており、暑さと心拍の上振れは体感としてもはっきりしています。気温が上がるレース環境では、この上振れがさらに大きくなることも十分考えられるため、給水所を一つ飛ばす判断のリスクは、涼しい時期の練習よりも重く見ておくべきだと考えています。
フルマラソン完走のコツでも触れていますが、給水のペースを乱さないためには、前半にオーバーペースにならないことも合わせて効いてきます。
水とスポーツドリンクの使い分け
多くの給水所では、水とスポーツドリンクの両方が用意されています。使い分けの一般的な目安は、水は「喉の渇きを潤す・体温を下げる」、スポーツドリンクは「糖質と電解質を補う」という役割の違いです。
前半は水で喉を潤す程度でも構いませんが、運動時間が1時間を超えるあたりからは、エネルギー補給の目安として1時間あたり糖質30〜60g程度を摂ることが一般的な定説として語られています。スポーツドリンクだけでこの量をまかなうのは難しいため、後半にかけては携行するジェルなどの補給食と組み合わせて考えるのが現実的です。この補給食選びについてはマラソン補給食ジェル比較に商品ごとの比較をまとめています。また、30km走のようなロング走の練習段階から補給のタイミングを体に覚えさせておく考え方は30km走の補給タイミングと回数で詳しく書いています。
毎回どっちも飲んだほうがいいんですか?
よくある疑問に答える
給水所で歩くと、後ろのランナーにぶつかられませんか
歩くこと自体より、進路変更のタイミングのほうが接触の原因になりやすいと言われています。テーブルの脇に寄ってから歩く、あるいは給水所を過ぎてコースの端に寄ってから減速するなど、周囲から見て動きが予測しやすい位置取りを意識すれば、歩くこと自体を過度に恐れる必要はありません。
全部の給水所で飲む必要がありますか
大会や気温によって給水所の間隔は異なりますが、間隔が短い大会では毎回飲みきらなくても構いません。ただし、渇きを感じてから飲むのでは遅いという前提は変わらないため、少なくとも喉が渇く前の給水所では意識的に口をつけておくことをおすすめします。体調に不安がある場合や、暑さで気分が悪くなった場合は、無理をせず給水所のスタッフや医療スタッフに相談してください。
歩いて飲むことを、まず当たり前にする
給水所で一番大事なのは、颯爽と飲む見た目ではなく、こぼさずむせずに確実に飲み切ることです。歩いて飲むのは負けでも恥でもなく、むしろ初レースでは最も合理的な選択肢だと私は考えています。走りながら飲むコツ(コップの縁をつぶす・奥のテーブルを狙う・周囲を確認する)は、その先のステップとして少しずつ試していけば十分です。
私自身、給水所での立ち回りに完全な自信があるわけではありません。次にこの記事を更新するときは、実際にひたちシーサイドマラソンの給水所でどう動けたか、包み隠さず追記するつもりです。
給水所の使い方は、当日の立ち回り全体の一部でもあります。前半のペース配分や歩きたくなった時の対処法まで含めた本番の立ち回りはフルマラソン完走のコツに、補給食そのものの選び方はマラソン補給食ジェル比較にまとめていますので、あわせて確認してみてください。