フルマラソン練習なしで走れる?正直、無謀です
結論から言うと、フルマラソンを練習なしで走り切るのは無謀です。ここで「大丈夫、なんとかなります」と書くのは簡単ですが、私はそれをしません。
こんな人に向けて、私の実体験とGarminの練習データをもとにこの記事を書きます。
正直に言うと、私自身は「練習ゼロで本番」を経験したことはありません。前回のフルマラソンも、少ないなりに練習は積んでいましたし、それでも4時間52分、20km手前から歩いてしまいました。だからこそ分かることがあります。練習していた私ですら後半に潰れたのに、練習していない状態で42.195km走り切るのがどれだけ厳しいことか、想像がつきます。根拠のない気休めは言いません。その代わり、今から本番までの残り時間でできる現実的な最善手と、当日を「完走」で終えるための生存戦略を、正直にまとめます。
この記事を読むと、リスクを正しく理解した上で、残り期間に応じて今すぐやるべきことと、当日の具体的な立ち回り方が分かります。
エントリーしてしまったものの練習が足りず焦っている人は、ぜひ最後までご覧ください。
うわ、3つとも私のことです…
結論:練習なしのフルは無謀。ただし今からできることはあります
フルマラソンは42.195km、平均的な市民ランナーでも4〜6時間体を動かし続ける競技です。普段からある程度の距離を走り慣れている体でも、後半に脚が売り切れることが珍しくありません。まったく走り込んでいない体でこの距離を走ろうとすると、筋肉・腱・関節に普段経験しない負荷が長時間かかり続け、故障のリスクは通常よりはっきり高くなります。私自身、練習量を急に増やした時期に膝や足底に違和感が出たことがあります。違和感が出た段階でペースを落とさず走り続ければ、悪化していたと思います。もし本番中に痛みが出たら、我慢して押し切らず、速やかにペースを落とすかエイドで一度止まる判断をしてください。痛みが長引く場合は自己判断で放置せず、必ず整形外科など専門医に相談してください。

もう一つ、意外と見落とされがちなのが低体温のリスクです。歩きを多く挟んでゆっくり進むと、汗で濡れた体が外気にさらされる時間そのものが長くなります。運動強度は落ちているのに体は汗ばんでいる、という状態は、気温が低い時期の大会ほど体温を奪われやすくなります。11月や2月開催の大会であれば、このリスクは無視できません。
それでも、今から本番まで何もしないよりは、できることがあります。走力を大きく伸ばす時間はもうありませんが、「完走できる可能性を少しでも上げる準備」と「当日壊れないための立ち回り」は、残り期間がどれだけ短くても今から始められます。ここから先は、その具体策です。
残り期間別、今からできる現実的な最善手
「今から何をすればいいか」は、残り期間によってまったく変わります。焦って距離だけ踏もうとすると、逆に故障のリスクを上げて当日走れなくなる、という本末転倒が一番怖いパターンです。
大会まで1ヶ月ある場合
まだ最低限の土台を作る余地があります。目安は週3回、1回20〜40分程度のジョグから始め、そのうち1回だけ距離を伸ばして10〜15km程度をゆっくり走る「ロング走もどき」を1〜2回入れます。ペースは会話ができる強度で十分です。私自身、8/11には10.58kmを61分(キロ5分47秒・平均心拍156)で走っていますが、これは普段から走っている体での数字です。走り慣れていない状態なら、同じ距離でもワンランク遅いペース・高めの心拍を想定しておくべきです。ここで一番やってはいけないのは、焦って毎日距離を踏むことです。休養日を削ると、故障のリスクだけが積み上がります。
大会まで2週間の場合
正直に言うと、ここからの走り込みで走力を上げようとするのは得策ではありません。追い込むより、体を壊さず本番に持っていくことを優先する時期です。軽いジョグで体を慣らす程度に留め、それよりも当日のペース戦略と補給計画を固めることに時間を使ってください。普段使わないシューズやウェアをこの時期に試すのも避けたほうが無難です。
大会まで1週間を切っている場合
もうこの期間は、走力を上げる時間ではありません。疲労を抜き、当日の装備・補給・後述する関門計算を最終確認することに全振りしてください。ここで無理に距離を踏むと、当日を待たずに脚を潰してしまいます。前日は軽いジョグか完全休養にとどめ、睡眠時間の確保を最優先にしてください。
当日を「完走」で終えるための生存戦略
練習不足のまま挑む以上、当日の立ち回り方が完走できるかどうかを大きく左右します。ここは根性論ではなく、具体的な戦略の話です。
最初から歩きを混ぜる「歩き混じり」スタート
練習していない状態で最初から走り通そうとすると、序盤の余裕に引っ張られてオーバーペースになり、中盤で完全に脚が止まります。そうなると歩くことすらつらくなります。最初から「5分走って1分歩く」のように、意図的に歩きを組み込んで進むほうが、終盤まで脚を残せる可能性が高いです。根性で押して途中で潰れるより、計画的に歩きを混ぜて最後まで動き続けるほうが、結果的に完走に近づきます。
関門時間を先に計算しておく
大会には各地点に制限時刻(関門)が設定されています。何キロ地点を何時までに通過する必要があるかを事前に把握し、「最低限保たなければいけない平均ペース」を計算しておいてください。関門ギリギリで通過する計画だと、少しのアクシデントで引っかかります。歩きを混ぜたペース配分でも関門を通過できるか、事前にシミュレーションしておくことが重要です。関門の仕組みと具体的な計算方法はフルマラソン 関門 計算方法にまとめています。
補給は「多め・早め・確実」に
練習していない体は、普段以上にエネルギー切れを起こしやすい状態です。私自身、真夏に距離を落として練習した8/1の7.5km(キロ5分38秒・平均心拍169)では、いつもより早く体がきつくなる感覚がありました。体が慣れていないと、同じ距離・同じペースでも消耗が早くなります。本番で初めて試すジェルや補給食は避け、早いタイミングから多めに補給する計画にしてください。銘柄選びの考え方はマラソン補給食ジェル比較に詳しくまとめています。
気休めじゃなく、やれることがあるのは分かりました。
次は、準備して走ると世界が変わります
ここまで書いた内容は、あくまで「練習が足りないまま本番を迎える」という状況での最善手です。完走を保証するものではありませんし、正直に言えば、それでも歩き通しになったり、途中で関門に引っかかったりする可能性はあります。
ただ、一つだけはっきり言えることがあります。次の大会に向けて、今から少しずつでも準備を始めて臨むと、当日の景色はまったく変わります。私自身、行き当たりばったりの練習で前回のフルマラソンに挑み、20km手前から歩いてしまいました。その反省から、今は何ヶ月前から何を積み上げればいいのかを整理し直しています。何ヶ月前から準備を始めるべきかはフルマラソン 何ヶ月前から練習に、週単位の具体的な練習メニューはフルマラソン歩かず完走の練習メニューにまとめてあります。
今回はこの記事の生存戦略でなんとか乗り切ってください。そして次の大会では、この2つの記事を土台に、準備してから走る側に回ってもらえたらと思います。
次は、ちゃんと準備してから走りたいです。