フルマラソン後半に歩いてしまうのは根性のせいじゃない
最初にはっきり言っておきます。フルマラソンの後半で歩いてしまうのは、根性が足りなかったからではありません。
こんな人に向けて、私の実体験をもとにこの記事を書きます。
正直に告白すると、私も同じことで悩んでいました。前回の東京マラソン2025で、実は後半どころか20km手前、中盤で歩いてしまったのは他でもない私自身です。タイムは4時間52分。ゴールした瞬間は確かに嬉しかったはずなのに、家に帰ってから何度も「なんで歩いてしまったんだろう」「自分は根性がないんじゃないか」と考えました。
きっかけは序盤のトイレでした。列に並んで想定より時間を食ってしまい、そのロスを取り返そうと序盤から飛ばしすぎたのが、今にして思えば全ての始まりでした。ペースを上げすぎたツケは正直で、20km手前、まだ中盤と呼べる地点で脚が動かなくなり、そこから歩き始めました。「30kmの壁」どころではない、遥かに早い失速です。
今、私は2026年11月15日のひたちシーサイドマラソンで「歩かず完走」を果たすべく、あの時の自分を責め続けるのではなく、原因を一つずつ潰していくやり方で解決に向かっています(本記事はその実録です。まだ結果は出ていません)。
この記事を読むと、「歩いてしまったのは性格や根性のせいではない」と数字と理屈で納得できるようになり、あの悔しさを次のレースにどう活かせばいいかの具体的な行動リストが手に入ります。
「歩いてしまった自分をいまだに責めている」「次こそはと思うけれど、何を変えればいいかわからない」という人は、ぜひ最後までご覧ください。
うわ、3つとも私のことだ…
「根性がない」という自責は、原因を見誤っています

ゴール後、多くの人がまず自分にこう問いかけます。「なんで歩いたんだろう」「もっと気持ちを強く持てば走り切れたんじゃないか」。私自身、レース直後の数日間はずっとこの問いを繰り返していました。
でも、後から自分の練習データやレースの状況を振り返って気づいたのは、歩いた原因は精神力の弱さではなく、もっと具体的で対処可能な要因だったということです。フルマラソンの後半で脚が止まる理由は、大きく分けてペース設定・エネルギー切れ・筋持久力の3つに整理できます。これはどれも「気持ちの持ちよう」ではなく、練習と当日の準備で変えられる領域です。この3つの原因と、それぞれへの具体的な対策メニューはフルマラソン歩かず完走の練習メニューで詳しく分解しています。
でも、実際に足が止まったのは事実ですよね?
私が後半に歩いた日、何が起きていたのか
きれいごとを書くつもりはないので、私が実際に経験したことをそのまま書きます。
補給自体は計画していました。ジェルを8kmごとに1本、スズメバチエキスも2本携帯していて、準備不足だったわけではありません。それでも20km手前で脚が動かなくなり、そこから歩き始めました。制限時間に間に合わせることだけを考えて、最後は歩いたり少し走ったりを繰り返しながらゴールしました。ゴールタイムは4時間52分。ゴールした瞬間、周りは拍手をしてくれていましたが、私自身は「やっと終わった」という安堵と、「これでよかったのか」というモヤモヤが半々でした。
いま振り返ると、あの日の失速の主因ははっきりしています。序盤にトイレへ立ち寄ったロスを取り返そうと、序盤から飛ばしすぎたペース配分ミスです。脚でも補給計画でもなく、まずペースの入り方を間違えました。原因が「気持ちが弱かった」という一番わかりやすい理由ではなく、具体的で対処可能な一点にあるとわかったのは、後から振り返って初めて気づけたことです。
なぜ「根性がなかった」と思い込んでしまうのか
フルマラソンを走り切った人の話には、「歩かずに完走できました」という美談が多く出てきます。SNSでも、達成した人の投稿は輝いて見えます。その中で自分だけが歩いてしまうと、「自分には何かが足りない」という結論に飛びつきやすくなります。
でも実際には、初めてのフルマラソンで一度も歩かずに完走できる人のほうが少数派です。歩いてしまうこと自体は、決して珍しい経験ではありません。私が調べた範囲でも、初マラソン経験者の多くが後半のどこかで歩いています。それでも自分を責めてしまうのは、比較の対象が「歩かなかった人の輝かしい報告」ばかりになりがちだからだと思います。
自分を責め続けても、次のレースの結果は変わりません。変わるのは、原因を具体的に特定して、練習メニューという行動に落とし込んだときだけです。私自身、この記事を書きながら「なぜ歩いたか」を分解する作業をして、初めて次に何をすればいいかが見えてきました。
後半に歩く3つの原因を、今度こそ数字で理解する
私自身の反省も含めて、後半に歩いてしまう原因を整理すると、次の3つに集約されます。
序盤の余裕に引っ張られて、後半まで持たないペースで入ってしまう「ペース設定ミス」。体内のグリコーゲンが尽きて脚は動くのに力が入らなくなる「エネルギー切れ」。そして、心肺には余裕があるのに脚(特に太ももやふくらはぎ)が終盤で売り切れてしまう「筋持久力不足」。この3つがそれぞれ単独で、あるいは複合で襲ってくることで、後半の失速や「歩く」という選択につながります。
エネルギー切れへの対策としては、レース本番で使う補給食を事前に決めておくことが欠かせません。私自身、前回もジェルを8kmごとに1本、スズメバチエキスを2本携帯するなど補給自体は計画していました。それでも歩く結果になったのは、根本原因が補給ではなく、序盤の飛ばしすぎによるペース配分ミスだったからだと今は分析しています。銘柄選びの考え方はマラソン補給食ジェル比較、30km地点でどのタイミングで補給するかは30km走 補給タイミングでそれぞれ整理しています。ペース設定ミスと筋持久力不足への具体的な練習メニューの組み方はフルマラソン歩かず完走の練習メニューにまとめました。
次のレースで、私が変えること
原因が具体的になれば、変えるべきこともはっきりします。私自身が次のひたちシーサイドマラソンに向けて、実際に変えようとしていることを行動レベルで書き出します。
- レースペースを事前に固定し、練習で守り切る:当日の高揚感に任せず、決めたペースより速く入らないことをロング走の段階から練習する
- 補給のタイミングをレース前に決めておく:本番で初めて試すのではなく、ロング走の中で実際の補給食を使い、体に合うタイミングを確認しておく
- ロング走の距離を段階的に伸ばす:週末のロング走を軸に、脚の筋持久力そのものを底上げする
- 「歩く」ではなく「ペースを落とす」を選べるようにする:脚がきつくなったときに立ち止まるのではなく、会話できる強度までペースを落として走り続ける練習を、ロング走の中で経験しておく
直近の練習では、8/11に10.58kmを61分(キロ5分47秒・平均心拍156)で走れています。夏場は暑さで心拍が上がりやすく、7/18の13.66km(キロ6分02秒)では平均心拍163まで上がりました。まだ前回の失速を克服できたと言えるデータではありませんが、少なくとも「気持ちで頑張る」ではなく、ペースと心拍という数字を見ながら練習できるようになったこと自体が、前回との一番の違いだと感じています。
気持ちの問題じゃなく、数字で管理するってことなんですね。
ひたちシーサイドで、もう一度自分を信じるために
歩いてしまった自分を、私はしばらく許せませんでした。でも原因を分解していく中で、あの日の失速は性格の弱さの証明ではなく、準備が足りていなかった部分の証明だったのだと考えられるようになりました。準備が足りなかったのなら、次はその部分を埋めればいい。それだけのことです。
2026年11月15日のひたちシーサイドマラソンでは、まず「歩かず完走」を果たすことを目標にしています。その先には2027年2月14日のさいたまマラソンでのサブ4も見据えていますが、今はまず、あの後半の壁をどう越えるかに集中しています。具体的な週間の練習メニューと現在のGarminデータはフルマラソン歩かず完走の練習メニューにすべて公開しているので、同じ壁を越えようとしている方はあわせて読んでいただければと思います。
この記事に書いたことがすべて成功する保証はありません。またどこかで歩いてしまう可能性もゼロではないと思っています。それでも、根性のせいにして自分を責め続けるより、原因を分解して一つずつ潰していくほうが、次につながると私は信じています。歩いてしまったことがある人は、あなたが弱いからではありません。原因は具体的で、変えられるものです。ひたちシーサイドのレース後には、この記事にも結果を追記するつもりです。
結果、私も自分のことのように気になります。