夏のランニング対策|暑い時期の時間帯と走り方
こんな人に向けて、私の実体験をもとにこの記事を書きます。
私自身、初めての夏場のランニングでは、普段と同じ感覚で走っているつもりなのに、いつもよりずっと苦しくて驚いた経験があります。今では、夏場はペースと距離を意図的に落とすというやり方で、走ることをやめずに乗り切れるようになっています。
この記事を読むと、夏に走るときに「ペースと距離をどれくらい落とせばいいのか」「何時に走ればいいのか」「給水やコース選びで何に気をつけるべきか」まで、私の実測データに基づいた具体的な判断基準が持てるようになります。
暑さのなかで無理に「慣れよう」として、体調を崩しかけている人は、ぜひ最後までご覧ください。
夏も冬と同じペースで走れるように、頑張って慣れるべきなんでしょうか
結論:夏は「ペースと距離を落とす」のが正解。落とさないのが一番危険
先に結論を書きます。夏場のランニングで大事なのは、暑さに慣れることではなく、ペースと距離を意図的に落とすことです。冬と同じペース・同じ距離を維持しようとすることこそが、夏場のランニングで最も危険な選択だと私は考えています。
理由は単純です。気温と湿度が上がると、体は汗をかいて体温を下げるために、皮膚表面へより多くの血液を送る必要が出てきます。走る筋肉に送るはずだった血流の一部が体温調節に回されるため、同じペースを維持するだけで、涼しい時期より心臓に大きな負担がかかります。つまり夏場は「同じペース=同じ運動強度」ではなく、「同じペース=より高い運動強度」になっているということです。
このとき、ペースを落とさずに「気合いで押し切ろう」とすると、心拍数だけがどんどん上がっていき、めまいや吐き気といった不調につながりやすくなります。逆に、ペースと距離を落として運動強度そのものを涼しい時期と近づけてあげれば、夏場でも無理なく走り続けることができます。心拍数を目安に運動強度をそろえるという考え方についてはマラソン練習 心拍数の目安(心拍で管理する考え方)で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてください。
私の実データ:夏は同じペースで心拍+10bpm、距離も5km台に
言葉だけでは説得力がないので、私自身のGarminの実測データをそのまま出します。
- 6/21 LSD 20.32km/2時間07分(キロ6分17秒)/平均心拍147・最大182
- 6/7 トレッドミル11.03km/54分(キロ4分55秒)/平均心拍159・最大189
- 7/18 13.66km/82分(キロ6分02秒)/平均心拍163・最大184
- 8/1 7.5km/42分(キロ5分38秒)/平均心拍169・最大185
- 8/11 10.58km/61分(キロ5分47秒)/平均心拍156・最大179
普段の私は、キロ6分前後で走ると平均心拍はだいたい150前後、キロ5分40秒を切ると160を超えてくるという感覚を持っています。ところが8月1日の記録では、キロ5分38秒というそこまで速くないペースで平均心拍169まで上がっていて、同じくらいのペースだった6月のトレッドミル練習(キロ4分55秒・平均心拍159)と比べても明らかに高い数字が出ています。真夏は同じペースでも心拍が10bpm近く上振れする、というのが私の実感です。

この図解は、涼しい時期と真夏(7〜8月)で、同じペース帯の心拍がどれだけ違って出ているかを比較したものです。キロ6分前後の点が、涼しい時期は150前後に集まっているのに対し、真夏のデータは同じペース帯でも点が10bpmほど上側にずれていることが、数字だけを読むより一目でわかるようにしています。
この上振れに対して私が実際にとった対応が、距離を落とすことでした。普段は5〜10kmを週2〜3回というのが私のリズムですが、夏場(7〜8月)はそのリズムを保ったまま、距離だけ5km台中心に落としています。「走らない」のではなく「短くして、頻度は保つ」という選び方です。頻度そのものの考え方についてはランニング初心者 週何回が正解?頻度の答えでも書いていますが、夏場はこの頻度を維持しながら1回あたりの負荷を軽くするという調整が、私にとって一番無理のないやり方でした。
距離を落とすだけで、本当に練習の効果はあるんですか?
時間帯の選び方:早朝と夜、どちらが正解か
夏場のランニングで、ペースと距離の次に効いてくるのが時間帯です。日中の直射日光の下を走るのは、気温・地面からの照り返し・紫外線のすべてが重なる、一日でもっとも負荷の高い時間帯になります。
早朝は気温がその日でもっとも低く、日差しもまだ弱いという利点があります。一方で、夜明け前後は湿度が高くなりやすく、汗が乾きにくいと感じる日もあります。夜は気温が日中よりは下がっているものの、地面にこもった熱が残っていることがあり、思ったより涼しくないと感じることも珍しくありません。
私自身は、平日は仕事を終えたあとの夜に走ることが多く、休日は早朝に走る時間を作ることが多いという生活リズムです。どちらの時間帯であっても、「日中よりはマシ」というだけで油断せず、この記事で挙げているペースと距離を落とす原則は変えないようにしています。時間帯を選んだからといって、夏の負荷そのものがなくなるわけではないという前提を持っておくことが大事だと感じています。
給水の考え方:喉が渇く前に、少量ずつ
夏場は汗で失う水分量が涼しい時期よりずっと多くなります。喉が渇いたと感じてから飲むのではなく、走る前・走っている最中・走った後の3つのタイミングで、少量ずつこまめに水分を補うという意識を持つようにしています。
エネルギー補給に関しては「1時間あたり糖質30〜60gが目安」という一般的な考え方が知られていますが、夏場はそれ以上に水分と、汗で失われる塩分の補給を意識する必要があります。長い距離を走るときは、水だけでなく塩分やミネラルを含んだ飲料を持つようにすると、汗をかき続けたあとの不調を感じにくくなりました。走る距離が伸びるほど、こまめな給水がしやすい装備があるかどうかで負担がかなり変わるので、NATHAN ハイドレーションベルト(提携リンク準備中)のようなボトル付きのベルトを1本持っておくと、夏場の長い距離でも給水のタイミングを逃しにくくなります。実売5,000円前後のモデルでも十分に使えます。
コース選びは日陰を意識する
同じ気温であっても、直射日光の下と木陰の下では体感の暑さがまったく違います。私が夏場のコースを選ぶときに意識しているのは、街路樹や公園の並木道が続く区間、川沿いで水面からの照り返しが少ない区間など、できるだけ日陰の割合が多いルートを選ぶことです。
普段と同じコースであっても、時間帯によって日陰の位置は変わります。朝は建物の影が長く伸びている道でも、日が高くなる時間帯には影がなくなっていることもあるので、走る時間帯とコースはセットで考えるようにしています。信号待ちや給水のために立ち止まる場所も、できるだけ日陰を選ぶだけで、体感の負担はかなり軽くなります。
危険サインを感じたら、迷わず中止する
ここまでペースと距離を落とすこと、時間帯とコースを選ぶことを書いてきましたが、それでも体調は日によって変わります。走っている最中にめまい、吐き気、普段と明らかに違う動悸、頭痛といった違和感を感じたら、私は迷わずその場で走るのをやめて、日陰で休むようにしています。
これは私自身の対応の仕方であり、医学的な判断基準を示すものではありません。少し休んでも症状が良くならない場合や、意識がぼんやりする、汗が急に止まるといった強い違和感がある場合は、自己判断を続けずに、必要であれば速やかに医療機関を受診することをおすすめします。夏場のランニングは、我慢して走り切ることに価値はないというのが、私がこの数年で持つようになった考え方です。
よくある疑問に先回りして答える
夏は走らない方がいいのでしょうか。 走らない方がいいとは思いません。ただし、涼しい時期と同じペース・同じ距離を維持しようとするのはおすすめできません。私自身、夏場も走ることそのものはやめず、ペースと距離を落とすことで継続しています。走ることをやめてしまうと、継続そのものが途切れやすくなるという点はランニングが続かないのは意志じゃなく仕組みの問題でも書いた通りです。
暑さに慣れれば、いつか普段のペースで走れるようになりますか。 ある程度、体が暑さに順応していく感覚はあります。ただし、暑さそのものの負荷がなくなるわけではないので、真夏の間はペースと距離を落とすという前提そのものを変える必要はないと私は考えています。慣れを期待して無理に強度を戻すより、毎回の心拍データを見ながら、その日の調整を続ける方が安全です。
朝と夜、どちらが安全ですか。 どちらか一方が絶対に安全ということはなく、その日の気温・湿度・体調によって変わります。私自身は平日夜・休日早朝という生活リズムに合わせて走っていますが、どちらの時間帯でも日中の直射日光を避け、ペースと距離を落とすという原則は変えていません。
夏を乗り切れば、秋の練習が生きてくる
夏場に無理をして体調を崩してしまうと、その後の練習計画そのものが崩れてしまいます。私は2026年11月15日のひたちシーサイドマラソンでの「歩かず完走」、その先の2027年2月14日のさいたまマラソンでの「サブ4」を目指して練習を続けていますが、真夏の間はペースと距離を落として、走ることをやめないことだけを優先しています。
夏は「頑張って慣れる季節」ではなく、「落として乗り切る季節」だと捉えるようになってから、夏場の練習に対する不安がかなり減りました。ペースと距離を落とすことに罪悪感を持つ必要はありません。それが、秋以降の練習を無事に迎えるための、いちばん確実な対策です。
夏を我慢の季節にしないで、落として乗り切ればいいんですね