対象読者: 初ハーフの目標を「完走」にすべきか「2時間半」等の時間にすべきか迷っている人。10kmのタイムはすでに持っている

ハーフマラソン初心者の目標タイムの決め方【実録】

ゆう
  • 初ハーフの目標、「完走」でいいのか「2時間半」みたいにタイムを決めるべきか迷っている
  • 10kmのタイムはあるけど、それがハーフでどのくらいになるのか分からない
  • 前半飛ばして後半潰れる、というのが一番怖い

こんなことに悩んでいませんか?

こんな人に向けて、私の実体験をもとにこの記事を書きます。

私自身、初めてのフルマラソンのときに「完走を目指すべきか、タイムを目指すべきか」を決めきれないまま本番を迎え、20km手前から歩く結果になりました(このときの経緯はフルマラソン初心者の目標タイムの決め方に書いています)。ハーフとフルでは距離が違いますが、「目標をどう置くか」で悩む中身は同じです。今では、あのときの反省から整理した考え方を、ハーフの目標タイム設定にもそのまま当てはめられるようになりました。

この記事を読むと、初ハーフで目標にすべきものがはっきりし、すでに持っている10kmのタイムからハーフの目安タイムを見積もれるようになります。あわせて、前半に突っ込んで後半潰れることを避けるためのペースの考え方もイメージできるはずです。

「初ハーフの目標をどう決めればいいか分からない」という人は、ぜひ最後までご覧ください。

読者

2時間半を目指したい気持ちはあるけど、無謀なのか妥当なのか分からないんです

ゆう

結論からいうと、初ハーフの目標は「完走」です。タイムを本気で狙うのは2レース目からで十分だと私は考えています。

初ハーフの目標は「完走」。タイムは2レース目からでいい

初めてのハーフマラソンでタイムを主目標にすると、序盤から時計を見ながら「このペースを維持できるか」に意識を持っていかれ、体の異変に気づくのが遅れがちになります。私はフルマラソンで同じ失敗をしました。「このペースなら4時間台に乗る」という数字を追いかけているうちに、後半のエネルギー切れに対応しきれず歩く羽目になったからです。ハーフはフルほど距離は長くありませんが、初めての距離を走るという意味では同じ不確実性があります。

だからこそ、初ハーフでは「完走」を第一目標に固定し、タイムは「完走できたらついてくる結果」として扱うのが現実的だと考えています。目標タイムがまったく不要というわけではありません。ペース配分の目安や練習のモチベーションとしては十分に意味があります。ただし、それを絶対達成のノルマにしてしまうと、本番でペースを守ることに固執し、後半に潰れるリスクが上がります。本気でタイムを狙いにいくのは、1回完走してハーフという距離の感覚をつかんだ2レース目からで十分だというのが私の考えです。

10kmタイムからハーフの予想タイムを見積もる一般的な考え方

とはいえ、目安になる数字がまったくないと、練習のペース設定もしづらくなります。ここで役に立つのが、すでに走ったことのある10kmのタイムから、ハーフの予想タイムを見積もる考え方です。

ランニング界隈でよく使われている一般的な目安として、ハーフの予想タイムは「10kmタイム×2.1〜2.2倍程度」というざっくりとした換算がよく紹介されています。距離が伸びるほどペースは落ちるので、単純な比例(10kmタイムの2.1975倍=距離の比率どおり)よりも少し重めの係数がかけられているのがポイントです。あくまで一般的な目安であり、当日のコンディションや気温、アップダウンによって上下する参考値として受け止めてください。

私自身の直近の練習データで試してみます。8月11日に10.58kmを61分(キロ5分47秒)で走った記録があります。この5分47秒/kmペースを10kmに換算すると約57分50秒です。これに2.1〜2.2倍をかけると、ハーフの予想タイムは2時間01分〜2時間07分程度という計算になります。「2時間半」という目標がよく語られますが、この換算だけを見れば、今の練習ペースでも射程には入っている数字です。ただし、これは10kmという短い距離での走力をもとにした理論値にすぎません。21.0975kmを走りきる持久力があるかどうかはまた別の問題だと、フルマラソンの経験から強く感じています。

読者

思ったよりいい数字が出て嬉しいです

ゆう

ただし、それは10kmの走力の話です。ハーフを最後まで押し切れるかは、また別の実力なので過信は禁物です。

ペース別ゴールタイム早見表

🖼ペース別ゴールタイム早見表のイメージ図。キロ5分30秒・6分・6分30秒・7分の4列と、対応するゴールタイムが並んだシンプルな表

換算値が出せない場合でも、「このペースを最後まで維持できたらゴールは何時間何分か」という単純計算の早見表があると、目標タイムのイメージがつかみやすくなります。ハーフマラソンの距離は21.0975kmなので、1kmあたりのペースに21.0975をかけるだけで計算できます。

  • キロ5分30秒ペース:21.0975km × 5分30秒 = 1時間56分02秒
  • キロ6分ペース:21.0975km × 6分 = 2時間06分35秒
  • キロ6分30秒ペース:21.0975km × 6分30秒 = 2時間17分08秒
  • キロ7分ペース:21.0975km × 7分 = 2時間27分41秒

「2時間半」を目標にする場合の目安ペースも計算しておきます。150分(2時間30分)÷21.0975kmで、キロ7分07秒ペースが目安になります。この早見表はあくまでそのペースを最初から最後まで一定で維持できた場合の単純計算です。実際のレースでは給水で数十秒単位のロスが出ますし、後半に失速すれば当然この数字より遅くなります。

HM5_ハーフペース別ゴールタイム早見表.png

前半突っ込まない「ネガティブスプリット」という考え方

早見表の数字を見ると、つい前半から張り切って貯金を作りたくなりますが、これが初ハーフでは一番のリスクだと私は考えています。私の練習データでも、キロ6分前後で走っているときの心拍はだいたい150前後に収まっている一方、キロ5分40秒を切るペースまで上げると心拍は160を超えてきます。8月1日に7.5kmをキロ5分38秒で走ったときは平均心拍169、最大185まで上がりました。真夏だったことを差し引いても、序盤からこの強度で入ってしまうと、後半まで持たないことは自分の体で経験しています。

そこで意識したいのが「ネガティブスプリット」、つまり前半を目標ペースよりわずかに抑えて入り、後半に同じか少し速いペースで走る組み立て方です。前半で心拍を上げすぎなければ、後半まで余力を残しやすくなります。具体的には、目標ペースがキロ6分なら、最初の5kmはキロ6分10〜15秒程度に抑え、体が温まって心拍が落ち着いてくる中盤以降で目標ペースに戻していくイメージです。「入りは我慢、後半で取り返す」という順番を先に決めておくだけで、前半の突っ込みはかなり防げると感じています。

このペース配分をレース全体でどう組み立てるかはハーフマラソンのペース配分の作り方で具体的な数字例とあわせて解説しています。

「でも私の場合は」に先回りして答える

読者

理屈は分かったけど、自分の場合はどうなのか、まだ不安です

ここまで読んでも残る不安に、先に答えておきます。

10kmのタイムに自信がない場合はどうする? 換算はあくまで目安なので、多少ペースが乱れた10kmのタイムでも参考程度には使えます。ただし数字を過信せず、「完走を優先しつつ、余裕があればこのあたりを目指す」くらいの緩さで持っておくのが安全です。周りのランナーの目安タイムと比べて焦る必要もありません。ハーフマラソン完走者の平均タイムから自分の立ち位置を知るで、年代別・全体の目安も確認できます。

早見表より実際のタイムが遅くなりそうで不安。 十分にあり得ます。給水でのロス、後半の失速を考えると、早見表の数字はあくまで理論上の最速ラインです。私自身は、早見表の数字に10分程度の余裕を見て、それでも完走できれば上出来、というくらいの気持ちで臨むつもりでいます。

目標タイムを決めたら、それに縛られて前半から無理をしてしまいそう。 これは私がフルマラソンでやってしまった失敗そのものです。目標タイムはあくまで練習のペース設定に使う道具であり、レース本番で体がきつくなったら、タイムより完走を優先してペースを落とす。この優先順位を事前に決めておくことが、目標タイムと安全に付き合う唯一の方法だと今は考えています。

目標タイムは「今の実力の仮置き」でいい

初ハーフの目標タイムは、一度決めたら絶対に守らなければいけないものではありません。10kmのタイムからの換算も、ペース別の早見表も、あくまで今の自分の実力を数字で仮置きするための道具です。大事なのは、その数字に振り回されて完走という一番の目標を見失わないことだと、フルマラソンでの失敗を通じて学びました。

私自身、今の10kmのペースを換算すれば「2時間01分〜2時間07分」というラインが見えていますが、これを初ハーフの目標タイムとして固定するつもりはありません。まずは完走すること、そして前半で突っ込まずに後半まで余力を残すこと。この2つを優先し、タイムはその結果としてついてくるものだと捉えています。

読者

まずは完走、そして後半に余力を残す。順番、覚えておきます

ゆう

はい。タイムより先に、まずはネガティブスプリットで走り切ることからです。